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◇ 技友会主催学術講演会 “口腔保健工学専攻第一期生 卒業研究・卒業作品プレゼンテーション” |
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○ 日 時:平成27年3月21日(土曜日)15:00〜16:30
○ 会 場:東京医科歯科大学修士課程講義室(2号館3階)
○ 発表者:五十畑 美稀、中嶌 優子、齋藤 道拓、勇﨑 圭翔、羽田 多麻木
※ 会員以外の方でも参加できます。事前申込み・参加費とも不要です。
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抄 録
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研究テーマ:陶材の厚みとオペーク色の効果
五十畑 美稀 |
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【目的】陶材焼付金属冠は十分な強度と審美性を保持しているが、臨床では十分な築盛量を確保できない場合もある。そこで今回は、オペークとデンティン陶材の厚さを変化させた場合の色調の変化を調べ、これら陶材の厚みが色調に与える変化を検討した。
【材料および方法】焼付用陶材には2種類の A2 のオペークとデンティン陶材を用い、焼付用金属にはコバルトクロム合金、測色には分光式測色色差計を用いた。
【結果】オペーク陶材の厚みが増すと AAA では L*、a*、b* の値は増加傾向を示し、ヴィンテージ MP ではオペーク陶材の厚みが 0.3mm のときに L*、a*、b* の値が最大となった。デンティン陶材の厚みが増すと両陶材とも L* の値は低下し、a*、b* は増加傾向を示した。AAA の場合、オペーク陶材が 0.1mm 、デンティン陶材が 0.9mm のときに、ヴィンテージ MP ではオペーク陶材が 0.1mm 、デンティン陶材が 1.2mm の厚さの場合にシェードガイドとの差が最も少なくなった。
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研究テーマ:動物における歯科治療の実態と歯科補綴装置のニーズに関する調査
中嶌 優子 |
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【目的】近年、日本では約3人に1人がペットを飼っているとされ、動物歯科への関心やニーズも高まってきている。しかし、動物歯科治療の実際や歯科技工士の関わりについては報告がない。本研究では、動物歯科治療の実態を把握し、動物歯科治療における歯科技工士の役割と獣医師との協力体制について検討することを目的とした。
【方法】大学病院、関東地方の動物病院、日本動物園水族館協会所属の動物園、日本動物病院会主催口腔病セミナー参加者を対象とし、自記式質問票による調査を 2014 年 6 〜9 月に実施した。
【結果および考察】回収率は 51% であった。回答者の 94% が動物歯科治療の必要性を認めていたが、実際に歯科治療を実施しているのは 68% であった。また、獣医師間での歯科技工士の認知度が低かった。今後、歯科技工士が歯科補綴治療で協力することは可能であるが、まず認知度を上げる働きかけが必要であることが示唆された。
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研究テーマ:外部ステイン法による歯科技工物
齋藤 道拓 |
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昨今のCAD/CAMシステムの進歩は目まぐるしいものであると感じます。そのため我々歯科技工士にとってそれらの知識、技術は必要不可欠なものとなってきています。そこで、本専攻の集大成でもある卒業作品に取り掛かるにあたってのコンセプトを2つ設定しました。1つは本専攻の CAD/CAM システムなとの充実した設備を活用すること。特に昨年保険収載された CAD/CAM 冠についてはぜひ製作してみたいと考えました。2つ目はそれぞれ異なる材料における色調の調和です。今回製作したものは全て外部ステインにより着色しました。結果として材料によって表現できる色合いの違いを感じ、学ぶことができました。まだまだ改善すべき点は多く残っていますが、寛大な心でご覧いただけましたら幸いです。また今回の卒業作品にあたって様々な助言をくださった先生方にこの場をお借りして感謝の意を表したいと思います。
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研究テーマ:CAD/CAM を用いて作製した歯科技工物と歯根付サンプル
勇﨑 圭翔 |
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私は技工士学校卒業後、工学専攻に編入学し、基礎的な技術や知識に加え、CAD/CAM システムなど新しい分野の習得に励んできた。今回、卒業作品にあたり、学んできたことの集大成として工学専攻ならではの様々な設備、材料を用いて作品を製作した。
昨年から注目されている保険適用の CAD/CAM 冠をはじめ、オールセラミッククラウン、フルジルコニアクラウン、三次元形状設計ソフトを用いた歯根付サンプルといったデジタル機器を駆使した技工物の作製に挑戦した。従来法では感覚的だった鋳造冠の適合やマージンの調整などが数値で客観的にコントロールでき、仕上がりが均一でエラーが少ないなど、デジタル機器のメリットを感じる一方で操作の難しさを実感した。製作を通してデジタル化による利便性を感じつつも、土台となる技術を習得する重要性を強く感じた。形態など未熟な点は多々あるが、CAD/CAM システムによる製作物と従来法の物との質感や見え方の違いにも注目して見ていただきたい。
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研究テーマ:歯冠内アタッチメントデンチャー
羽田 多麻木 |
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近年の CAD/CAM システムおよびインプラント治療の普及、金属価格高騰という時流の中、貴金属を多用し、術式が非常に煩雑なアタッチメントデンチャーの需要は減少傾向にあると言われている。しかし、アタッチメントデンチャーは形態・色彩・機能を兼ね備えた審美的補綴装置として応用することで、患者の口腔内を改善し、発音状態をも考慮に入れた修復治療を可能にする。さらに最近では、従来とは異なる主成分のナノジルコニアなどの材料を使用したアタッチメントが臨床応用されている。
そこで、4年間の集大成である卒業作品を製作するにあたり、本学専攻で学んだ知識や技術を最大限に生かしつつ、以前から興味・関心を持ち、今後も材料の主成分を変えつつ進化し続けるであろうアタッチメントデンチャーを製作したいと考えた。
前歯6本は硬質レジン前装冠による連結冠とし、左右第一小臼歯に自家製の歯冠内アタッチメントを施したアタッチメントデンチャーを製作した。
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